この記事では、Amazonの Fire HD 10タブレット(2019/第9世代)についてレビューします。
ちなみに所有するFire HD 10タブレットは、2019年モデルで2台目。
これまでFireタブレットを5台ほど使ってきましたが、その中でもかなりおすすめのパワフルで高コスパなモデルです。
ヨノイ
なおこちらの記事で取り扱う内容は、主にスペック面に関すること。
Fireタブレットシリーズで何ができるのかについては、下記の記事をご覧ください。

目次
Fire HD 10タブレットとは

Fire HD 10はAmazonが販売するタブレット型のデバイスです。
プライムビデオやKindleといったAmazonのサービスに最適化されており、ホーム画面から直接サービスにアクセスできるのが特徴です。
Fireタブレットにはサイズの異なる3種類のモデルがあり、Fire HD 10はその中の最上位モデル。
最大の10インチディスプレイを持っているのが特徴です。
ディスプレイは画質も高精細で、1,920×1,200ピクセルのWUXGA画質。
すべてのモデルの中で最も美しく、またCPUやオーディオなども最も高性能です。
Fire HD 10のスペックと価格について
ここではFire HD 10のスペックと価格について解説します。
Fire HD 10のスペック一覧
Fire HD 10は2019年に最新の第9世代モデルが発売されました。スペックは下記のとおり。
Fire HD 10 タブレット | |
---|---|
世代 | 第9世代(2019年発売) |
イメージ | ![]() |
カラー | ブラック、ホワイト、ブルー |
価格 | 15,980円(32GB) 19,980円(64GB) |
ディスプレイ | 10.1インチHD IPS方式 反射防止技術採用 |
解像度 | 1,920px × 1,200px(224ppi) |
OSバージョン(出荷時) | 7.3.1.0 |
Bluetoothバージョン | 4.2LE |
SoC | MediaTek MT8183 (64-bit octa-core) |
API | 32bit |
CPU | 4xARM Cortex-A73 (2.0 GHZ), 4xARM Cortex-A53 (2.0 GHz) オクタコアプロセッサ |
GPU | ARM Mali-G72 MP3 GPU |
RAM | 2GB |
オーディオ | Dolby Atmos、 デュアルステレオスピーカー マイク 3.5mmステレオジャック |
センサー | アクセロメータ |
マルチタッチ | 5点 |
Alexa搭載 | ◯ |
ストレージ | 32GB/64GB |
microSDカードスロット | 512GBまで対応 |
カメラ | 2メガピクセルフロントカメラ、リアカメラ+720pHDビデオレコーディング |
位置情報サービス | WiFi経由の位置情報サービス(GPSの搭載はなし) |
Wi-Fi | デュアルバンド a/b/g/n/ac |
バッテリー | 最大12時間 |
充電時間 | 同梱のUSB-C(2.0)ケーブル、9W充電アダプタで約4時間 |
入出力 | USB-C(2.0)ポート |
サイズ | 262 × 159 × 9.8mm |
重量 | 504g |
保証 | 1年間限定保証付き (国内の場合は別売で延長オプションあり) |
太字が旧モデルからスペックアップした部分です。
本体性能は格段にアップしていて、ベンチスコアで見ても圧倒的な差が出ています。

また、Fireタブレットシリーズとして初となるUSB-Cの採用は地味にうれしいところ。
非対称のコネクタの上下を探る必要がなくなっただけでも相当ストレスフリーです。
さらに、今回からカラーバリエーションが増えています。
この展開は新型のFire HD 8(2020)にも採用されており、新色は今後他のモデルでも採用される流れのようです。
Fire HD 10の本体価格について
本体価格を比較した一覧は下記の通り。
32GB | 64GB | |
---|---|---|
通常価格 | 15,980円 | 19,980円 |
初売り(2020) | 15,980円(割引対象外) | 19,980円(割引対象外) |
サイバーマンデー割引価格(2019) | 9,980円(38%オフ) | 13,980円(30%オフ) |
ブラックフライデー割引価格(2019) | 15,980円(割引対象外) | 19,980円(割引対象外) |
プライムデー割引価格(2019) ※旧モデル | 9,980円(38%オフ) | 13,980円(30%オフ) |
ぶっちゃけ、異常に安いです。
通常価格でも相当なお値打ち価格ですが、セール時にはかなりの割引がされます。
セール価格になるとほぼ利益ゼロに近い価格ではないでしょうか。
最安価格での購入を追求するとなると、やはりプライムデーやサイバーマンデーのような大型セールが狙い目です。

しかしAmazonではそれ以外にもタイムセール祭りが毎月開催されています。

割引率は大型セールに匹敵するほどなので、下手に待つよりかはタイミングをあわせて購入してしまうのがおすすめです。
また購入時はAmazonギフト券のチャージタイプを利用するとさらにお得に購入できます。

Fire HD 10の機能的な特徴について

Fire HD10は画面が大きく動画視聴により適したモデル
Fire HD 10は画面サイズが10インチと、Fireシリーズで最大のディスプレイを搭載しています。
解像度も1,920×1,200ピクセルと高精細。
解像度的にはフルHD画質が1,920×1,080ピクセルなので、Fire HD 10はフルHD画質での動画再生に耐えうる解像度。
きめ細やかな画像を閲覧できるのが特徴です。
参考 動画配信サービスの画質を比較|SD、HD、フルHD、4Kの違いなども解説ヨノイVOD最近では動画配信サービスもフルHD画質が標準となっているので、動画視聴をするならFire HD 10一択と言えます。
またオーディオ関連もDolby Atmosとデュアルステレオスピーカーが搭載されており、サウンドのスペックも充実。
Fireタブレットシリーズの中で動画視聴をするならFire HD 10を選ぶのが正解です。

ヨノイ
電子書籍も見開きでほぼ実物サイズでの表示が可能
また電子書籍を横にして見開きにしても、画面のサイズが大きいので違和感なく読書できます。
他のFireタブレットでも横向きにして読むことはできますが、画面のサイズが小さいと見開きにしたときページが小さくなってしまうんですよね。
Fire HD 10の場合は画面が大きいのでページも大きく表示され、実際の本を読むような感覚で読書を楽しむことができます。
とくに漫画は見開きで描写されるシーンも多いので、本来の迫力を損なわずに読書することができます。
ちなみに下記は一つ前のモデル(2017/第7世代)の画像ですが、最新型とサイズ感などは同じです。
漫画を縦で表示しています。

横置きだとこんな感じです。

カラーの見開きもこの通りきれいに見ることができます。

漫画も見開き表示だと書籍のように読めます。

漫画の見開きページも表示が小さくならず、迫力ある描写を楽しめます。

一般書籍の場合はこのような表示になります。

このように電子書籍に適したサイズ感であることがわかります。
Fireタブレットはカラー表示できることが強みでもあるので、Kindle Unlimitedで配信されているようなカラー書籍も十分楽しめます。

基本的な性能もFireタブレットシリーズ中で最高
Fireタブレットの最上位モデルなので、CPUを始めとした基本的な性能はシリーズ中で最高です。
プロセッサなどもシリーズ最高のものを使用しているので動作も快適ですね。
ホーム画面の操作、ブラウジング、ゲームなど全般にわたっていわゆるヌルサクな操作性が実現されていて、ストレスを感じる場面がないのは素晴らしいと思います。
ヨノイ
また、デバイスに独自仕様のブラウザが搭載されている場合、出来がよくなかったりするのはよくある話です。
しかしプリインストールされているSilkブラウザは非常に完成度が高く、ChromeやSafari並に快適に使用できます。
この辺りは単純なスペックだけの話ではなく、ソフトウェアがよく作り込まれているということではないかと思います。
ヨノイ
また、バッテリーの容量も強化されたことから、最新の第9世代機では最大12時間もの稼働が可能。
内蔵ストレージについては32GBと64GBの2種類のモデルが展開されており、外部メディアはmicroSDカードに最大512GBまで対応しています。
コンテンツの利用にあたってはデータを端末にダウンロードするため容量は大きいほどよいのですが、拡張性が十分に確保されているため容量のやりくりに悩むこともありません。
Fire HD 10(2019/第9世代)のAnTuTuベンチマークスコア
Antutuベンチマークスコア(V.8.1.9)の結果は下記の通り、146205でした。

表にすると下記の通り。
項目 | スコア |
---|---|
CPU | 64,660 |
CPU数学演算 | 11,633 |
CPU共通アルゴリズム | 10,542 |
CPUマルチコア | 42,485 |
GPU | 25,582 |
Terracotta – ヴァルカン | メモリ不足 |
Coastline – ヴァルカン | 9,339 |
Refinery – OpenGL ES3.1+AEP | 16,243 |
MEM | 32,219 |
RAMアクセス | 20,031 |
ROM APP IO | 3,486 |
ROMシーケンシャル読み込み | 3,639 |
ROMシーケンシャル書き込み | 2,701 |
ROMランダムアクセス | 2,362 |
UX | 23,744 |
データセキュリティ | 4,894 |
データ処理 | 7,277 |
画像処理 | 714 |
ユーザーエクスペリエンス | 10,859 |
計測中にブラックアウトして非アクティブになるなど、挙動的にやや怪しい部分はあったのですが、何とか完走してスコアが出たかたちです。
数値的には前モデルやFire HD 8などを大きく上回っています。

また、上記の記事ではGeekBench3での比較も行っています。
オクタコアに変わったことによるCPUの機能向上が分かりますのでぜひご一読ください。
新バージョンのOS・Fire OS 7の採用
Fire HD 10には、Fire OSの最新のバージョンであるFire OS 7が使用されています。
これに伴い、Fire HD 10にはピクチャー・イン・ピクチャー(PinP)機能が搭載されています。
ピクチャー・イン・ピクチャーは画面のすみに動画を流しっぱなしに出来る機能で、ネットブラウジングなど他のことをしながら動画視聴ができます。

Fire HD 10にはAlexa(アレクサ)が搭載済み
FireタブレットシリーズにはAmazonの開発するAIアシスタントであるAlexa(アレクサ)が搭載されています。
AlexaはFire TVシリーズにも搭載が完了しており、Amazonはこれまで以上にAlexaを推していく方針のようです。
ヨノイ
Fireタブレットでは「Alexaハンズフリー」という機能が使用可能です。
このAlexaハンズフリーをオンにしておくと、スリープ状態でも「アレクサ!」の声でFireタブレットが起動し、Alexaと会話できる状態になります。
ホームボタンを押すことなく完全に音声だけでスリープから復帰するので、手が離せない場面などではとても便利です。
Fire HD 10は「Showモード」でEcho Showのように使用可能

Fire HD 10にはEcho Showのように使用できるShowモードが搭載されています。

タブレットとして利用してないときはShowモードで部屋にディスプレイしておくといった、疑似Echo Showのような使い方もできます。
ShowモードはFire HD 10とFire HD 8に対応していますが、画面サイズが大きい分、Fire HD 10の方がShowモードに適しています。
Echo Showにはオーディオ性能的に敵わない部分はありますが、どういったデバイスであるかを試すことができるという点では良い機能です。
ヨノイ
ちなみに、Echo Showは10.1インチスクリーンで27,980円ですので、Fire HD 10の15,980円と比較しても約10,000円近く高価です。
Echo Showを買う前に、取りあえず代替的にFireタブレットを試してみるのも悪くない選択肢だと思います。
FireタブレットはWi-Fi機能のみでGPSには非対応
FireタブレットにはGPS機能が搭載されておらず、WiFi機能のみしか使用できません。
また、SIMカードスロットもないので、後からLTE機能を増設することもできないことには要注意です。
外に持ち出して利用したい場合は、WiMAXやポケットWiFiを用意する必要があります。
関連記事:【決定版】あなたのポケットWiFi選びをまるっと解決!本当におすすめできる比較ランキングがこちら
またGPSがないため、地図機能は利用できません。
屋外に持ち出すにしても、Amazonのコンテンツを外出先でも楽しむという使い方がメインになります。
参考 Amazonプライムビデオはどんなサービス?メリット・デメリットを紹介ヨノイVODFire HD 10の本体のディテールについて
Fire HD 10(2019年モデル)の実物の細かい部分について画像付きでご紹介します。
Fire HD 10の本体
本体前面です。

なお、ディスプレイにはアンチグレアフィルムを貼っています。
本体裏側はこのような感じです。材質はプラスチックっぽい感じですね。

画像ではかなり青みがかっていますが、実物はもう少し緑っぽいので要注意です。
ヨノイ
実物の色はやはり公式の画像が近いです。

結構青緑っぽい感じですね。
Macbook Pro(2016)のディスプレイ基準でいくと、カラーコード的に#007E97くらいの感じです。
ただしディスプレイの色調対応はノートPCの環境によってかなり違うので、参考程度にどうぞ。
なお、外装の表面には加工がされていて、滑りにくいようになっています。
サイズ的には片手で持つにはかなり大きいので、両手持ちにするかスタンドカバーに立てて使用するかになるかと思います。
少なくとも片手持ちは自分の手のサイズでは難しいですね。
本体サイズの比較
Fire HD 10、Fire HD 8、Fire 7、Kindle Paperwhiteと比較するとこのような感じ。

かなりサイズ感は違いますね。
特にFire HD 8に持ちかえたときにかなりサイズの違いを感じます。
片手持ちできるか否かの違いは感覚的に大きいですね。
重ねるとこのような感じになります。

厚みはどのデバイスもさほど変わりません。
電源・入出力・ボリュームについて

縦持ちした場合の上部側に、電源ボタン、USB-Cポート、3.5mmステレオジャック、ボリュームボタンが配置されています。
フロント/リアカメラについて
カメラはフロント、リア両方に用意されていますが、スペック表から見ても実用性の低いスペックです。
Amazon的にも付けないわけにもいかないから付けておこうくらいの感じかもしれません。
スマホのカメラが飛躍的に機能向上している今、あえてFire HD 10のカメラで写真を撮ろうという人はいないのでは…?
オーディオ関連/スピーカーについて

スピーカーは本体を縦持ちしたときに左側の上下に位置しています。
Dolby Atmosが搭載のデュアルステレオスピーカーがLRで2基付いていて、横で置いたときに底面側に来るようにすることで、反響してよく鳴るようになっています。
ちなみに画像では2枚重ねていますが、下にあるのが旧モデルのFire HD 10(2017)です。
Fire HD 10のデメリット
Fire HD 10のデメリットは主にサイズ面での話になるかと思います。
Fire HD 10は持ち歩きには適さない
スペックやディスプレイの大きさと引き替えに、携帯性と価格が若干犠牲になっているのは仕方のないところです。
GPS機能が搭載されてないことも含めて、持ち歩きにはあまり適していません。
ヨノイ
そもそもFireタブレットのメインのコンセプトが「Amazonプライムをいかに楽しませるか」ということに集約されているんですよね。
その中でもさらに携帯性が低い製品ですので、その辺はやむなしといったところです。
片手持ちは大人の男性でもちょっと大きいサイズ感
10インチなのでiPadなどをお持ちの方はイメージしやすいサイズ感かと思います。
重さも約500gあるので、片手で背面を支えていると次第に重さを感じてきます。
長時間の読書なら両手持ちになるのでしょうが、その場合は自然と横向きに持つ感じになります。
カバーをつけるとはっきりと重いですね。この辺りは製品の種類にもよるのでしょうが。
部屋で使うにしても、何も付けず取り回しをよくするか、カバースタンドを購入して据え置きディスプレイ的に使うかのいずれかの使い方になるかと思います。
ちなみにカバースタンドはこちらがおすすめ。
Google Playが利用できない
FireタブレットはAndroidをAmazon仕様に改造したFire OSで動いているため、Google Playが利用できません。
アプリはAmazonアプリストアにあるものを利用するかたちになります。
ですがAmazonアプリはラインナップがかなり貧弱で、正直かなり厳しい内容です。
TwitterやZOOMなどメジャーなアプリは配信されていますが、ちょっとマイナーな部類になるとほぼ絶望的。
あっても何年も更新されてないとかザラだったりします。

なおFireタブレットには、Playストアを裏技的にインストールすることが可能です。
ただしグレーな使い方であることは間違いないので、あくまで自己責任にということは承知しておく必要があります。

動画配信サービスもFireタブレットへのアプリ対応をしてないところは意外に多かったりします。
代わりにAndroidアプリで利用したりもできるので、インストールしておくと使い道が広がることは間違いないのですが…。
Fire HD 10は最大3年の延長保証もあり
Fire HD 10はAmazonによる1年間の限定保証終了後に対応してくれる別売りの延長保証を、オプションで購入することができます。
延長保証は購入から30日以内の申し込みが必要なため、注意が必要です。
延長保証は2年間で3,480円、3年間で4,380円となっており、自然故障・不具合と突発的な故障に対応してくれます。
保証内容の詳細は下記の通りです。(2020年1月現在)
- メーカー保証期間終了後の自然故障・不具合について1回に限り無償で代替品に交換(バッテリーの劣化含む)
- 落下による故障、水濡れなどの偶発事故は保証期間中に1回に限り無償で代替品に交換
ややわかりづらいですが、①の自然故障・不具合への対応はメーカー保証が1年間ついているので、それが1年間延びるのと同等です。
②の落下による故障、水濡れなどの偶発事故はそもそもメーカーの保証対象になっていないので、申し込み時点から保証対象が拡張されるイメージです。
ちなみに僕は本体の購入がセール価格だったため延長保証は購入していません。故障したときは買い替え時だと思うことにしています。
Fire HD 10は高コスパなタブレットとして気軽に購入できるデバイス
Fire HD 10はベンチマークなどを見ても、Fireタブレットシリーズの中でもかなりパワフルなモデルです。
日常的に触っていても挙動はかなりぬるぬるですし、ディスプレイもきめ細かいのでプライムビデオを観ている時間もかなり満足度が高いです。
また処理性能を求められるアプリにも、ある程度対応していけるのではないかと思います。
プライムビデオを始めとするVODサービスを積極的に利用していく予定の方や、Google Playによるアプリ使用を想定している方にはぜひおすすめできるモデルです。
何と言ってもこのスペックからはこの価格は他のメーカーでは決して出せません。
驚異の高コスパデバイスですので、ぜひお試しいただければと思います。
また、他モデルのレビューはこちらからどうぞ!


