WardPressの有料テーマの中でもひときわ人気の高い「JIN」。
デザインの雰囲気も良く利用しているブログも多いことから、無料テーマからの乗り換えを検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、実際にWordPressテーマ「JIN」を継続利用した経験をもとに、JINのメリット・デメリットについてご紹介します。
ちなみにこのヨノイブログはこの記事を書いている時点で運営1年8ヶ月目。
旧版STORKの利用からスタートし、その後JIN、AFFINGER5を経て、現在はSANGOを使っています。
その他には非公開ブログでは無料テーマのCocoonを導入しており、複数のテーマを利用した経験があります。
なおヨノイブログで「JIN」を利用した期間は約半年間。
本記事では「なぜJINの利用をやめたのか」についても触れていますので、JINを利用するにあたっての懸念点を知りたい方はぜひ最後までお読みください。
目次
WordPressテーマ「JIN」(ジン)とは
価格 | ¥14,800(税込) |
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複数サイト利用 | 可 |
決済方法 | クレジットカード( VISA / Master / JCB / AMEX ) |
JINはアフィリエイターのひつじさん(@hituji_1234)と「ATLAS」の開発で知られる赤石カズヤさん(@cps_kazuya)のタッグで制作されたWordPressテーマ。
実績あるお二人が持っている知識やアイデアを結集させたWordPressテーマということで、発売から2年以上経過した今でも人気の衰えないテーマです。
初心者のみならず中級、上級ブロガーまでたくさんのユーザーに利用されています。
WordPressテーマ「JIN」のメリット
冒頭に申し上げたように、以前に僕はこのヨノイブログで実際にJINを使っていました。
その際に感じたJINのメリットをご紹介していきます。
JINのメリット①:デザイン性が高い
まず何と言ってもJINの素晴らしさはデザイン性の高さ。
JINに興味を持たれた方も、デザイン面によるところが大きいのではないでしょうか。
柔らかくもありしっかりした雰囲気もありで、そのようなデザイン性は他のテーマにはない部分ですね。
ブログジャンルを選ばない「親しみやすさ」「かわいらしさ」
JINのデザインをひとことで言うと、親しみやすくかわいらしいデザイン。
ボックスやアイコン一つ取ってもとても均整が取れており、性別や年齢層を問わず、多くの方に好かれるデザインと言えます。
WordPressテーマによっては気取った感じが前面に出てしまうものもありますが、JINは適度な親近感が魅力。
鼻につく感じがないので誰にでも使いやすく、どんなブログジャンルにも適応できるテーマです。
見出しなどや着せ替えテーマなどデザインが豊富
JINは過去の人気テーマのいいところを上手く取り入れているのも特徴。
SANGO風やSTORK風などバリエーションも豊富で、基本設定の変更だけで全体のデザインをかなり大きく変えられます。
ブログはジャンルや方向性によって適したデザインは異なりますが、運営するうちにブログのジャンルが変わるのもよくあること。
しかしJINなら用意されているデザインの選択肢も豊富なので、後からデザインを変更したくなった場合でも、簡単に対応可能です。
また細かい設定が苦手な方向けに、全体の設定をまとめて変えられる着せ替え機能も用意されています。
テーマの色や各パーツの設定をおまかせデザインに調整でき、手軽に全体をまとまりのあるデザインにすることができます。
もちろんデザインをCSS上で直接編集することもできるので、WordPressに明るい方であれば、より自分好みに調整していくことも可能です。
専用プラグイン「CARAT」「SPACE」でデザイン性がさらに加速
JINには専用のデザインプラグイン「CARAT」「SPACE」がリリースされています。
CARAT、SPACEは簡単に言うとJINのスキンのようなもので、プラグインとしてアップロードするだけで、全体の構成や印象を大きく変更できます。
CARATは女性向けサイトに適したラグジュアリーなデザインが、SPACEはインテリアやガジェット向けのダークなデザインにできます。
とくにSPACEはサイト型デザインに対応しているのがポイント。
最近では特化ブログのトップページをサイト型にするカスタマイズが人気ですが、SPACEを利用することで簡単に実現できます。
サイト型デザインとは、トップページに表示する記事を固定にすることで、ブログ全体の構成を見やすくしたもの。
新着記事順に表示されるブログ型と比べて網羅性や一覧性が高まるため、回遊性の上昇が期待できます。
またサイトの専門性のアピールにもつながるのもポイントです。
またダークモードにも対応と、トレンドを押さえてくれているのも◯ですね。
JINのメリット②:カスタマイズ例が多い
JINは人気が高く、ユーザー数が多いのが特徴。
そのためカスタマイズ事例も豊富です。
記事としてまとめられているものも多く、有用なものも多数あります。
「こうすればより良くなる」という情報をユーザーが積極的に発信している雰囲気の良さは、JINの大きな強みと言えます。
「困ったときはググればどうにかなるだろう」という安心感は心強いですね。
JINのメリット③:設定マニュアルが公開されている
JINは公式に設定マニュアルサイトが用意されています。
初心者向けにかなり丁寧にまとめられており、順番に見ていけばJINのことが一通りわかるようになっています。
導入したばかりの方はもちろん、これから導入を検討されている方にも有益なサイトです。
僕も事前にこちらのサイトを見ることで移行を決断できたので、導入を検討されている方はぜひ事前にチェックしておくとイメージが掴めますよ。
JINのメリット④:公式フォーラムで質問できる
JINは製作者に問い合わせできるフォーラムが用意されています。
内容も活発で、さまざまな質問に製作者サイドが答えてくれるのはとても心強いですね。
とくにWordPressやHTML/CSSに明るくない方にとってトラブル解決はかなりハードルが高い問題。
技術的なサポートを丁寧に行ってくれる姿には信頼感が持てます。
WordPressテーマ「JIN」のデメリット
次に使用する中で感じたJINのデメリット、あまりよくない点について解説していきます。
JINのデメリット①:プラグインとの相性でデザイン崩れが起こりやすい
JINではプラグインと干渉してデザインが崩れる現象がいくつか発生していました。
僕が確認した限りでは、「WP Super Cashe」と「a3 lazy load」の2種類。
この2つは速度改善がはかれるキャッシュ系のプラグインなので、使えないとなると厳しい……。
プラグインによる表示崩れは他のテーマでも起こりうることではありますが、表示速度に難あるJINではやや切実さが異なります。
可能であればテーマ本体側での解決を期待したい部分です。

JINのデメリット②:サイトの表示速度が遅い


JINの最大のデメリットは表示速度が遅いこと。
公式で設定変更による改善策が示されてはいるものの、基本設定やプラグインの対応では限界があり、もう一歩改善が欲しいところです。
とくに前述したようにJINはキャッシュ系プラグインと相性が悪いため、速度改善のために導入してもデザイン崩れにつながってしまうのは厳しい部分です。
また表示速度に関しては、Googleは新たに「コアウェブバイタル」という指標の導入を明らかにしています。
「コアウェブバイタル」とはざっくり言うと、サイトの表示速度も含めたユーザー体験を検索順位の指標として含めるということ。
これまで以上にサイトの表示速度や反応速度、レイアウトの安定性が求められるようになります。
コアウェブバイタルが本格的に導入されることで、表示速度が遅くユーザーの離脱が多いサイトはこれまで以上に順位上昇が難しくなってしまいます。
最近では異常に表示速度の速いテーマも出ている中、JINを選ぶと言うことは相対的に速度が遅くなるということをよく理解しておく必要があります。
JINのデメリット③:ABテストプラグインが未実装など機能面が充実していない
SWELLやTHE SONICといった最新のテーマには、ABテストプラグインやタグ計測機能などがあらかじめ実装されており、手軽にアフィリエイトリンクの最適化をはかることができます。
AFFINGER5でも有料の追加プラグインとして用意されていますね。
その他にも、テーマによってはLazy Load機能もデフォルトで搭載されていたりなど、テーマの高機能化は著しく進んでいます。
その一方でJINにはこのような機能が用意されておらず、できることがデザイン面の調整に限られているのが残念なところ。
アフィリエイトで大きく収益化をはかりたいのであれば、高機能で最新の仕様のSWELLやAFFINGER5を検討した方がよいでしょう。
JINのデメリット④:ユーザーが多いためデザインが被りやすい
メリットで触れたように、JINはデザインのバリエーションが多数用意されています。
しかし一方で、好まれるデザインが大体決まってしまっているんですよね。
JINを使っているブログはテーマカラーこそ違えど似た印象になってしまっていることも多く、どうしても「JINっぽさ」がつきまとってしまいます。
WordPressテーマを移行するなら事前の準備は慎重に
WordPressテーマの移行は想像以上に大変です。
思っている以上に時間と手間がかかるので、「移行してみたい!」という思いがあるのなら、早めに準備を進めましょう。
具体的には下記の作業が出てきます。
- 新テーマの基本設定の決定
- ショートコードなどテーマ固有部分の置き換え作業
- 修正後の表示のチェック(PC/スマホ)
とくにショートコードなどのテーマに由来する部分は新規テーマにあわせて置き換えが必要です。
もちろん一括処理は可能で、Search Regexなどのプラグインを使うことで処理できますが、アフィリエイトボタンなども当然含むため、結局は目視で確認せざるをえません。
またテーマは細かい部分で仕様が違うため、その他にも変えてみて始めてわかることも多くあります。
たとえばSTORKからJINに移行したときは、下記のことが起こりました。
- アイキャッチ画像の高さ自動調整される/されない問題
- プラグインの相性問題
STORKはアイキャッチ画像として設定した元画像の縦横サイズ比がどうであれ、サムネイルの縦横サイズを一定に揃えてくれます。
しかしJINは元画像の縦横サイズ比をそのまま表示する仕様なので、STORKから移行するとサムネイルの高さが不揃いになるんですよね。
これは移行してみて初めて分かったことで、事前に気づけなかった部分でした。
何十記事分を修正することになり、かなり大変だったのを覚えています。
このように、前のテーマではOKだったことが新テーマではOKではないこともあるので、不測の事態を想定しつつ移行作業を進める必要があります。
ベストなのは検証環境を構築することですね。
元のテーマからJINに載せ替えた場合の変化を事前調査しておくことで、移行の手順を整理できます。
検証用のブログをnoindexにしておけばGoogleのクローラーを回避できるので、実際の記事をコピーしてより本番に近い環境で実験できます。
レビューまとめ:JINの導入はデザインの良さと速度問題をどう取るか
ここまでJINのメリット・デメリットを見てきましたが、究極的に単純化すると以下の2点と言えるでしょう。
- JINのメリット:デザインの良さ
- JINのデメリット:表示速度が遅い
とくに初心者の方にとっては、表示速度などの機能面でのデメリットをどのように捉えればよいか分からないかもしれません。
そのような場合は、極論かもしれませんが、まずはデザイン重視で決めてしまっていいと思います。
というのも、デザイン面で愛着が持てないとなかなかブログに力が入らないからです。
もちろんデザインがよくてもめちゃくちゃ重いテーマだったりすると論外ですが、一般的に知られている有名テーマなら、どれも大丈夫です。
一方でJINから離脱するとなると、ほとんどの方は速度問題が理由ではないかと思います。
ちなみに僕がJINからテーマ移行した理由は以下の2つです。
- 自力で表示速度を改善することに限界を感じた
- トップページのサイト型表示をよりスマホに最適化したかった
やはりなかなか自力で速度改善が上手くいかなかったことは大きな理由の一つです。
またサイト型表示に関してはSPACEを含めていろいろ試してみましたが、JINでは自分のイメージに近づかなかったこともあり、AFFINGER5へ移行しました。
とはいえ、特に後者はサイト型にする予定のない方にとっては全く関係のない話ですし、JINのサイト型に満足される方も多くいらっしゃるでしょう。
結局テーマ選びは、自分の思うようなかたちになるかが最優先なので、自分のイメージしていることがJINで実現できそうかを考えてみるとよいです。
とくにJINは初心者の方が使いやすいよう工夫されているテーマですし、実際にたくさんの方が選んでいます。
メリットとデメリットをしっかりと把握した上で、他の選択肢と比較検討しながら決めていただくと失敗がないかと思います。