本記事では、『新世紀エヴァンゲリオン』の旧劇場版シリーズ3作品について解説します。
エヴァンゲリオンの旧劇場版は下記の3作品。
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生(1997年)
- 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年)
- EVANGELION:DEATH(TRUE)2(1998年)
タイトルを一見してわかるように、旧シリーズは劇場版として複数の作品が存在しています。
また上映延期により作品のコンセプトに変更が生じたため、それぞれの関係性はやや込み入っています。
本記事ではそれぞれの作品内容について分かりやすく解説するとともに、無料で視聴できる動画配信サービスについてご紹介します。
新劇場版の配信状況とは対照的に、旧劇場版の配信状況はやや限定的。
ぜひ視聴の参考にしていただけると幸いです。
なお一般的に「旧劇場版」「旧劇」という言葉は、『Air/まごころを、君に』を指す言葉として使われていますが、本記事では新劇場版シリーズと対比して、『シト新生』『DEATH(TRUE)2』を含むものとして使用しています。
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下記の記事では登録方法を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
※本ページの情報は2023年3月時点のものです。 最新の配信状況は U-NEXTサイトほか各公式サイトにてご確認ください。
旧劇場版3作『Air/まごころを、君に』『シト新生』『DEATH(TRUE)2』について
旧劇場版エヴァンゲリオンは、TVアニメシリーズの最後の2話(第25話・26話)を完全版として再構築する目的で始まったもの。
1996年3月のTV版の放送終了後に最終2話のリメイクが発表され、TV版の総集編とリメイク版第25・26話をセットにした完結編の公開が発表されました。
また当初はあわせて完全新作が制作される予定になっていましたが、制作の遅延もあり立ち消えに。
最終的に以下のかたちでの上映となりました。
タイトル | 内容 |
---|---|
『シト新生』 | TV版第1〜24話の総集編である『DEATH編』と、第25話前半部をリメイクした『REBIRTH編』の2部構成。 |
『Air/まごころを、君に』 | 『シト新生』に間に合わなかった『REBIRTH編』後半部を第25話「Air」として完成させ、第26話「まごころを、君に」とあわせて新規上映。 |
『DEATH(TRUE)2』 | 『シト新生』の『DEATH編』を再々修正したもの。WOWOWオンエア版として『DEATH(TRUE)』を放送した後、98年に『DEATH(TRUE)2』が公開。 |
つまり公開の順番は、『シト新生』→『Air/まごころを、君に』→『DEATH(TRUE)2』ですが、最終2話を見たければ、『Air/まごころを、君に』を視聴すればOKです。
『DEATH編』は第1〜24話の映像に加え、新たにカットのつなぎとして加えられたシンジ、レイ、アスカ、カヲルの4人による弦楽四重奏のシーンから構成されています。
初見の方がこれだけでTV版を理解するのはやや苦しいので、時間がなければ視聴を最後にまわすと良いでしょう。
TV版エヴァの最終2話を旧劇場版として作り直した理由
95年に放送が始まったTV版エヴァは、斬新な内容と哲学や心理学、宗教学からの多様な引用、また登場人物の複雑で生々しい内面描写でアニメの枠を超えた熱狂的なファンを獲得しました。
最終話に向けてエヴァが急速に社会現象化していく一方で、庵野秀明監督率いる制作現場は疲弊し、限界を迎えてしまいます。
『エヴァ』が終わった後、なんか、ものすごく怖い考えに捕らわれたことが一度だけある。それから鬱が激しくなった。死にたくなることもあって、愛を求める絶望的な叫びっていうんですか(笑)。そこまで行って、自分の孤独に耐えられなくなって、先が全く見えなくなったんです。
その時、ガイナックスの屋上に立って、実際に飛び込めるかどうか試してみた。死にたい気分じゃなくて、本当に死にたいのかどうか、それを試したんです。
「庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン」(太田出版)より
TVアニメの最終話は作画も完全ではなく、描かれた脚本も視聴者に対して決して説明的とは言えない内容でした。
しかしその後に最終2話の作り直しの話が持ち上がり、当初の予定だったVHS、レーザーディスクでのリリースから、映画化へと話が進んでいきます。
最終話がまともに終わっていたら旧劇はなかったはずですし、ここまでの作品になってなかったかもしれません。
新世紀エヴァンゲリオン旧劇場版3作品の配信状況について
旧劇場版エヴァンゲリオン3作品の、主要な動画配信サービスでの配信状況についてお伝えします。
まず前提として、2023年3月時点で『シト新生』を配信している動画配信サービスはありません。
つまり旧劇場版を見る場合は、『Air/まごころを、君に』と『DEATH(TRUE)2』の2作品をどのように視聴するかになります。
基本的に有料での配信となっているので、すでに利用中の動画配信サービスがあれば、その中で利用するとよいでしょう。
しかし無料での視聴ができないわけではありません。
『Air/まごころを、君に』『DEATH(TRUE)2』は無料視聴できる?
旧劇場版エヴァンゲリオンは有料での配信になっていますが、無料視聴できないわけではありません。
各動画配信サービスでは無料トライアルを実施しており、サービスによっては有料動画に使えるポイントを配布しています。
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『シト新生』を視聴する必要はある?
『シト新生』の内容をアップデートしたものが、『Air/まごころを、君に』と『DEATH(TRUE)2』。
一般的な作品鑑賞の目的であれば、あえて『シト新生』を見る必要性はないでしょう。
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旧劇場版エヴァンゲリオン3作品の作品情報
ここでは各作品の基本情報について解説します。
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生
総監督 | 庵野秀明 |
監督 | 摩砂雪(DEATH)、鶴巻和哉(REBIRTH) |
脚本 | 薩川昭夫(DEATH) 庵野秀明 |
音楽 | 鷺巣詩郎 |
主題歌 | 高橋洋子 「魂のルフラン」 |
出演 | 緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子、山口由里子、立木文彦、清川元夢、子安武人、結城比呂、長沢美樹、山寺宏一、石田彰、麦人 |
公開年 | 1997年3月15日 |
上映時間 | 99分 |
iMDbレーティング | 7.5 / 10 |
TVシリーズのエヴァンゲリオンは話数を重ねるごとに、登場人物の心象風景と内面の描写に比重が傾いていきます。
結果、第25話と第26話(最終話)はそれまでのSFアニメとしての伏線回収を半ば放棄したものに。
また作画も間に合っておらず、映像の一部は絵コンテをそのまま流すなど、完全なかたちでの放送とは言い難いものでした。
これを受けて、放送終了後には最終2話がリメイクされ、あわせて完全新作の映画化が発表されました。
しかし制作の遅延から予定は変更され、当初は最終2話のリメイクの予定だった『シト新生』は1〜24話の総集編とリメイクされた25話の前編へと変更。
最終2話は『Air/まごころを、君に』の制作へと引き継がれました。
現在ではソフトのみの流通となっており、なかなか視聴機会のない映像作品となってしまいましたが、弦楽四重奏の演奏を挟んだ編集は当時のアニメとしては斬新でした。
内容的には『Air/まごころを、君に』と『DEATH(TRUE)2』でカバーできますが、当時の空気感を体感したい方はぜひ鑑賞してみてください。
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新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
総監督 | 庵野秀明 |
監督 | 庵野秀明(26話)、鶴巻和哉(25話) |
脚本 | 庵野秀明 |
音楽 | 鷺巣詩郎 |
主題歌 | LOREN & MASH「THANATOS -IF I CAN’T BE YOURS-」 |
出演 | 緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子、山口由里子、立木文彦、清川元夢、子安武人、結城比呂、長沢美樹、山寺宏一、石田彰、麦人 |
公開年 | 1997年7月19日 |
上映時間 | 87分 |
iMDbレーティング | 8.1 / 10 |
第25話と第26話を新たに描き直した作品。
『シト新生』の公開に間に合わなかった「REBIRTH編」の完全版として公開されました。
廃人状態から復活を遂げたアスカによる9体の量産機の殲滅から一転して凄惨な運命をたどる弐号機、レイを取り込んで発動する人類補完計画、溶け合う精神の中で向きあうエゴや拒絶する他者、そして物語最後のセリフなど、視聴者の精神に干渉してくる内容でひたすら絶望的な色が濃い作品。
当時の庵野監督の精神状態が大きく反映されていると言われており、一般の映像作品も含めて、ここまで作家一個人がむき出しになった表現は珍しいのではないかと思います。
リアルタイム世代ではトラウマになった人も多いと思いますし、この作品に触発されてクリエイターになった方も相当多いのではないかと推察します。
ちなみにあまりにも救いがない結末から、終劇後にはエヴァの2次創作がネットに大量に溢れることに。
最新作の「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」はそれらの全てを引き受けての言葉だと思いますし、それゆえ涙を禁じえません。
ラストのシンジの行動とアスカのセリフはあまりにも有名ですが、未見の方はぜひその意味を考察してみてはいかがでしょうか。
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EVANGELION:DEATH(TRUE)2
『シト新生』の一部として公開された「DEATH編」が再々修正された作品。
『Air/まごころを、君に』の翌年に公開された、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH (TRUE)² / Air / まごころを、君に』で公開されました。
いわば完全版としての「DEATH編」で、1〜24話の総集編としては、最終形の本作を見ておけばよいでしょう。
97年の『Air/まごころを、君に』で虚脱状態になった方も多かったので、『DEATH(TRUE)2』を見てないという方も意外と多いかもしれません。
基本的にはTV版の内容を理解しておけば無理に視聴する必要はないでしょう。
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旧エヴァンゲリオンのもう一つの結末は漫画版(貞本エヴァ)を要チェック
『新世紀エヴァンゲリオン』はTV版の放送と並行して漫画版の連載を開始。
キャラクターデザインを手がけた貞本義行氏によって漫画化されており、こちらは2014年に連載を終了しています。
内容はTV版から旧劇場版を踏襲したものですが、終盤に向かうにつれてオリジナルの展開も多く発生し、もう一つの結末とも言える終局を迎えます。
旧劇場版とも新劇場版とも異なる物語の終わりはぜひチェックしておきたいところです。
『シン・エヴァンゲリオン』にも関連するようなシーンも、もしかするとあるかもしれません。
まとめ:旧劇場版3作品を見るなら『Air/まごころを、君に』を最優先に
エヴァンゲリオンの旧劇場版3作を視聴するなら、まずは『Air/まごころを、君に』を優先して視聴するべきでしょう。
TV版から通して見れば、旧シリーズの物語がつかめるからです。
その他の『シト新生』、『DEATH(TRUE)2』は最終話までを再編集したもので、物語上で未見の重要なシーンがあるわけではありません。
今となってはややマニア向けの映像作品の性格も強いので、余裕に応じて視聴するとよいでしょう。
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