動画配信サービス選びで気にしておきたいのが、同時視聴への対応について。
同時視聴とは、別々の端末から同時に動画を視聴することを指しますが、同時視聴への対応状況は、各サービスでかなり異なります。
また対応している場合でも、何台まで同時視聴できるかもサービス次第。
あらかじめしっかり調べておかないと、家族で利用したかったサービスが全く対応してなかった、なんてケースもありえます。
ヨノイ
そこでこの記事では、各動画配信サービスの同時視聴への対応状況についてご紹介します。
これから動画配信サービスを利用される方で、家族利用が想定される場合は、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
動画配信サービスの「同時視聴」とは?
まずは同時視聴について簡単に言葉の定義を解説します。
(定義、と言っても難しくはありません)
面倒な話は抜きにして結論を知りたい方は、こちらからスキップできます。
同時視聴とはどういう状況を指すか
「同時視聴」とは文字どおり、動画配信サービスを別々の端末から同時に視聴することを言います。
ポイントは下記の3点。
- 「一つの」動画配信サービスを
- 「別々の」端末から
- 「同時に」視聴する
つまり別々のスマホから見たとしても、視聴時間がズレていれば、それは同時視聴とは言いません。
また、もちろん動画は普通に視聴可能です。
同時視聴はなぜダメなのか?
実際には、同時視聴はどの動画配信サービスでも、技術的には可能です(なはずです)。
しかし同時視聴の制限をなくしてしまうと、サービス提供者側にとっては視聴者数の見込みが増え、実際にサーバーの負荷も増大してしまいます。
そのためサービス側の体力や採算に応じて、対応が異なっているのが実情です。
同時視聴するための再生方法
動画配信サービスを同時視聴する方法としては、2種類の再生方法があります。
一つはネットで動画データをダウンロードしながら再生していく「ストリーミング再生」。
もう一つは、データを丸ごと端末にダウンロードしきった後に再生する「ダウンロード再生」です。
- ストリーミング再生:ネットに接続しながらリアルタイムで再生する方法
- ダウンロード再生:動画データを一旦デバイスにダウンロード保存してオフラインで再生する方法
通常、「同時視聴」と言えばストリーミング再生による同時視聴のことを言います。
ヨノイ
しかし、ストリーミング再生での同時視聴に対応している動画配信サービスは多くありません。
- U-NEXT
- Netflix
- Amazonプライムビデオ
一方で、ダウンロード再生への対応状況は比較的よく、現在ではほとんど動画配信サービスで対応ずみです。
ダウンロード機能はあくまで「端末にデータを一時保存しオフラインで再生する機能」ですが、多くのサービスでストリーミング視聴と同時にオフライン再生ができます。
つまり、同時視聴に対応していなくても、ストリーミング再生と(ダウンロードしたデータの)オフライン再生が同時にできれば、実質的に同時視聴できるのと同じです。
このように同時視聴には未対応でも、ダウンロード機能を使った擬似的な同時視聴が可能なケースがあるため、「同時視聴不可」を簡単に信じるのは得策ではありません。
同時視聴に関する動画配信サービス主要7社の対応状況
同時視聴に関する各動画配信サービスの対応状況は下記のとおりです。
動画配信サービス | 同時視聴の可否 | 備考 |
---|---|---|
U-NEXT | ◯ | 4台まで可能 |
Netflix | ◯ | スタンダード:2台まで プレミアム:4台まで |
Amazonプライムビデオ | ◯ | 3台まで可能 |
TSUTAYA TV | ◯ | 購入作品であれば、2台まで可能 |
Hulu | △ | 機能的には未実装だが、DL機能を使った同時再生が可能 |
FODプレミアム | × | 未対応 |
dTV | × | 未対応 |
U-NEXTとNetflixでは、最大4台までの同時視聴が可能です。
反対に、FODプレミアムとdTVは完全に対応していません。
またHuluでは、ストリーミング再生とオフライン再生の同時利用が可能となっており、実質的な同時視聴が可能です。
同時視聴するならどのサービスがおすすめ?
それぞれのサービスの対応状況を見る前に、まずは結論から見ていきましょう。
3〜4人で視聴する場合(親子4人家庭、ルームシェア)
3〜4人で同時視聴する場合は、次の動画配信サービスがおすすめです。
- U-NEXT(4人まで)
- Amazonプライムビデオ(3人まで)
U-NEXTはアカウント管理やポイントのシェアに優れており、多人数でも使いやすいのがメリット。
ペアレンタルコントロールもしっかりしているため、ユーザーの年齢層に幅があっても対応しやすいという利点もあります。
またU-NEXTは配信本数が200,000本以上と圧倒的に多いため、利用人数が増えて好みがバラついたとしても、数の多さでカバーできます。
ヨノイ
Amazonプライムビデオは月額料金が安いことに加え、親しみやすく扱いやすいのがポイント。
すでにAmazonプライムの会員の方なら、すぐに視聴を始められますよ。
2人以下で視聴する場合(2人夫婦・カップル)
2人以下で同時視聴する場合は、次の動画配信サービスがおすすめです。
- Amazonプライムビデオ(3人まで)
- Hulu(オフライン再生で3人まで)
Amazonプライムビデオは安価で扱いやすいため、2人夫婦やカップルでの利用にもおすすめできます。
Huluを同時視聴するためにはダウンロードという一手間が必要ですが、コンテンツの豊富さと月額料金の安さは推せるポイントですね。
各動画配信サービスの同時視聴への対応状況
ここでは動画配信サービスごとの同時視聴への対応状況を解説します。
U-NEXT(ユーネクスト):同時視聴数は最大4台
月額料金 | 2,189円(税込) |
---|---|
配信本数 | 200,000本以上 (うち見放題作品数180,000本) |
無料トライアル | 31日間 |
同時視聴数 | 4台 |
U-NEXTでは最大4台まで同時視聴が可能です。
U-NEXTでは1つの契約につき、3つまで追加のアカウントを作ることができます。
もちろん追加分のアカウントは無料です。
アカウントの種類を整理すると下記のようになります。
- 親アカウント:契約時に作成されるアカウントのこと。
- 子アカウント…追加で作ったアカウントで最大3つまで。
U-NEXTでは、これら最大4つのアカウントで動画の同時再生が可能です。
それぞれのアカウントは視聴履歴も独立しており、プライバシー面での心配もありません。
また親アカウントは子アカウントに対して各種制限がかけられるなど、安心して利用できるしくみが備わっているのもポイントです。
U-NEXTは月額料金が他のサービスと比較して少し高めですが、4人で使えると考えれば一人当たりの金額はむしろ割安。
一人あたり約500円で200,000本以上の動画を見倒せると考えれば、かなりのコストパフォーマンスです。
ただし下記のように、視聴に制限がないわけではありません。
- 複数の端末から同時に同じ作品は見られない
- NHKオンデマンドは複数の端末から同時に視聴できない(作品が別でも不可)
家族といっても映画やドラマの好みは違うものですが、配信本数の多さはそういった見たい作品の違いをカバーできます
「とりあえず家族で使える動画配信サービスを一つ登録したい」ということであれば、U-NEXTは断然おすすめです。
Netflix(ネットフリックス):プレミアムプランでは最大4台まで
月額料金 | ベーシック:880円(税込) スタンダード:1,320円(税込) プレミアム:1,980円(税込) |
---|---|
配信本数 | 非公表 |
無料トライアル | なし |
同時視聴数 | ベーシック:1台 スタンダード:2台 プレミアム:4台 |
Netflixは3種類のプランが用意されており、プランによって同時視聴が数が異なります。
またあわせて画質も異なっており、利用ユーザーとプランの対応をかなりしっかり結びつけている印象もあります。
なお、各プランの同時視聴が可能なデバイス数は下記のとおり。
- ベーシックプラン:1台
- スタンダードプラン:2台
- プレミアムプラン:4台
利用人数が多い場合は、プレミアムプランを選びましょう。
Hulu(フールー):ダウンロード機能により3台の同時再生が可能
月額料金 | 1,026円(税込) |
---|---|
配信本数 | 70,000本以上 |
無料トライアル | 2週間 |
同時視聴数 | 同時視聴不可 (オフライン再生による同時再生は可能) |
Huluは同時視聴に対応しておらず、複数の端末から同時にストリーミング再生はできません。
ただしHuluにはダウンロード機能があり、一度端末に保存した動画データはオフライン再生が可能です。
このオフライン再生はストリーミング再生ではないため、同時に再生しても制限がかかりません。
Huluでは最大2台までのデバイスに動画データをダウンロードできるため、下記の同時再生が可能です。
- 1台目:ストリーミング再生
- 2台目:オフライン再生(ダウンロード再生)
- 3台目:オフライン再生(ダウンロード再生)
ヨノイ
とここまでは利用規約を遵守した上での話。
実際は複数のデバイスからの「ストリーミング再生による同時視聴」が可能です。
FireタブレットのHuluアプリを使って、2台同時に再生してみます。
再生できてしまいます。
3台同時に再生してみると……。
さすがに最後の1台はエラーメッセージで弾かれてしまいます。
ちなみにエラーメッセージの内容はこのような感じ。
さすがに3台同時は無理か……と再生したり一時停止したりを繰り返していたら、
まさかの3台同時再生もできてしまいました…。
ヨノイ
とはいえ、これはあくまで技術的な隙を突いて成立しただけのことで、Huluの規約上では認められてない使い方。
4. 加入及び料金請求
(1)はじめに
Huluサービスのアカウントは、個人利用のみを目的とするものです。2つ以上のデバイスを同時に用いて、ストリーミングによって本コンテンツを視聴することはできません。
繰り返していると強制解約にもなりかねないので、やめておきましょう。
Huluの同時視聴については、下記の記事でより掘り下げています。
続きが気になる方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
Amazonプライムビデオ:同時視聴数は3台まで
年額料金/月額料金 | 年額4,900円(税込)/月額500円(税込) |
---|---|
配信本数 | 非公開(推定15,000本程度) |
無料トライアル | 30日間 |
同時視聴数 | 3台 |
プライムビデオは1つのアカウントで最大3台まで同時視聴できます。
同時視聴する場合に、とくにプライムビデオと相性がいいのがAmazonデバイス。
家族がテレビでプライムビデオを見ていても、Fireタブレットさえあれば別の動画を自室で見れますし、ダウンロード機能を使えば外出先にも持ち出せます。
価格も安価な上、あるだけで一気に動画視聴の幅が広がるので、Fireタブレットはおすすめです。
TSUTAYA TV(ツタヤティーヴィー):購入作品のみ2台まで
月額料金(税込) | 動画見放題:1,026円 定額レンタル8:2,052円 動画見放題&定額レンタル8:2,659円 |
---|---|
配信本数 | 10,000タイトル |
無料トライアル | 30日間無料 |
同時視聴数 | 2台(購入した動画のみ) |
TSUTAYA TVでは同時視聴が可能ですが、対象は購入した動画のみ。
購入作品では最大2台のデバイスで同時視聴できます。
なお見放題作品、レンタル作品は同時視聴ができず、再生しようとしてもエラーになってしまいます。
FOD PREMIUM(FODプレミアム):同時視聴は不可
月額料金 | 976円(税込) |
---|---|
配信本数 | 30,000本以上 |
無料トライアル | 2週間 |
同時視聴数 | 同時視聴不可 |
FODプレミアムは同時視聴、ダウンロード視聴に対応していません。
フジテレビのコンテンツを見たい方はほぼFODプレミアム一択なので、家族で使いたい場合は調整しながら使っていくしかなさそうです。
dTV(ディーティーヴィー):同時視聴は不可
月額料金 | 550円(税込) |
---|---|
配信本数 | 120,000作品 |
無料トライアル | 31日間 |
同時視聴数 | 同時視聴不可 |
dTVも同時視聴はできません。
dTVでは5台まで利用デバイスを登録できますが、それぞれのデバイスで同時に再生することはできません。
またHuluで抜け道的に利用できた、ストリーミング再生とダウンロード再生の同時再生ですが、dTVはこちらも不可。
同時視聴への道は完全にふさがれています。
まとめ:同時視聴するならU-NEXT、プライムビデオ、Huluがおすすめ
以上より、同時視聴をする予定があれば、U-NEXT、Amazonプライムビデオ、Netflixがおすすめです。
また動画のダウンロードという一手間が苦にならなければ、Huluも十分選択肢に入ってきます。
これらの中から個人的におすすめしたいのは、「U-NEXT」です。
アカウントの管理やプライバシーの保護、またペアレンタルコントロールがしっかりしているため、同時視聴に関する不安なく利用できます。
ヨノイ
とはいえ、実際の使用感は使ってみない限りわかりません。
動画配信サービスにはそれぞれ無料トライアルが用意されていますので、ぜひ一度実体験してみましょう。