モバイル回線について調べ始めるとやがて有力な候補として行き当たるのが「WiMAX」。
「WiMAXってやたらおすすめされてるけど一体何?」「ポケットWiFiとどう違うの?」と疑問点ばかりの方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、初心者の方向けに下記の内容について解説してきます。
- WiMAXとは何か
- WiMAXの基本的なしくみ
簡単に解説すると、WiMAXとはKDDIグループ傘下のUQコミュニケーションズが提供するモバイル回線網。
携帯キャリアのauの兄弟企業が提供するポケットWiFiで、高速かつ無制限に利用できるのが特徴です。
このような大きな強みがある一方で、障害物や地下に弱いという電波上の特性もあるため、契約前にメリット・デメリットはしっかりと把握しておきたいところです。
ヨノイ
この記事ではWiMAXという言葉を初めて知った方でもバッチリ分かるように、なるべくやさしく噛み砕いて解説していきます。
またポケットWiFiとの違いについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
目次
WiMAXとは一体なに?
まず最初にWiMAXとは何かについて解説していきます。
WiMAXは無線通信の規格の一つ
WiMAX(ワイマックス)とは無線通信に関する技術の一規格のこと。
何やら専門用語的で分かりづらいですが、簡単に噛み砕くと、無線によるインターネット回線の一つのことです。
全国にWiMAXという規格のネットワーク(通信網)が張り巡らされており、WiMAXに契約することで回線に接続し、通信できるようになります。
ちなみにWiMAXとは、「Worldwide Interoperability for Microwave Acces」の頭文字をとったもの。
日本語に置き換えると「マイクロ波を利用した通信方式の世界標準規格」あたりになるでしょう。
WiMAXは4G LTEやWiFiとは別のもの
「無線による通信」と聞いて思い浮かべるのは4G LTEやWiFiですが、これらはWiMAXとは異なるものです。
たとえば4G LTE回線は主にスマホの通信に使われており、画面上に「4G」の文字が表示されているのをよくご覧になっているのではないでしょうか。
ヨノイ
WiMAXはこの4G LTEとは異なる規格のものです。
4G LTEと同じように、WiMAXはネットワーク網として全国に敷かれており、WiMAXに契約するとそれを使えるようになります。
ヨノイ
また「WiFiも無線でインターネットできるけど何が違うの?」というのもよくある疑問。
WiFiとはルーターを介して無線でデバイスとインターネットをつなぐしくみのこと。
有線で引かれているインターネット網をWiFiルーターによって無線化することにより、初めてPCなどのデバイスは無線でインターネットに接続できます。
最近ではこの無線化された電波をWiFiと呼ぶのが一般化していますが、WiFi自体がWiMAXのような広域なネットワークというわけではありません。
WiMAX2+(ワイマックスツープラス)って一体なに?
WiMAXについて調べていると「WiMAX2+」という単語が出てきます。
「2って何だろう?1は?」などと思ってしまいますが、「WiMAX2+」とはWiMAXで使われている通信回線の規格、正式名称のこと。
現在使われている最新の規格で、「ワイマックスツープラス」と読みます。
2009年にサービス提供が始まった頃はいわゆる「WiMAX」規格の回線を使用していましたが、2013年に「WiMAX2+」が登場。
これまでの懸念事項であった通信速度の遅さが大幅に改善され、現在では「WiMAX2+」回線に一本化されています。
- WiMAXは4G LTEと同様に全国どこでも無線通信が可能
- WiFiはインターネット回線とデバイスをつなぐ無線化の規格
- 現在では新規格のWiMAX2+に全面移行済み
WiMAXはUQコミュニケーションズが提供
WiMAXはKDDIグループ傘下のUQコミュニケーションズが事業展開を行なっています。
UQコミュニケーションズでは自社商品として2009年から「UQ WiMAX」を展開。
UQ3姉妹のCMなどで高い知名度を得ています。
WiMAXは複数のプロバイダ経由でもサービス提供あり
WiMAXは本家本元のUQ WiMAXの他にも、販売代理店(プロバイダ)経由でサービス提供されています。
代表的な販売代理店
- GMOとくとくBB
- BIGLOBE
- リンクライフ
プロバイダ経由でWiMAXを契約する最大のメリットは、プロバイダごとの特典や独自プラン。
それぞれのプロバイダでは、独自のキャッシュバックや特典、また柔軟なプラン設定を設けており、ユーザーはよりコスパよくWiMAXを利用できます。
とくに高額のキャッシュバックはプロバイダ契約の目玉で、高いものになると30,000円を超えるところも。
WiMAXを契約するなら、積極的にプロバイダを活用すべきだと言えます。
そして大きなポイントは、プロバイダ経由でもWiMAXの通信品質には差がないということ。
UQ WiMAXを契約しても、その他のプロバイダ経由で契約しても使用するのは同一回線。
より安く利用できるプロバイダを上手に利用するのがWiMAX運用のコツです。
- WiMAXを提供しているのはUQコミュニケーションズ
- 販売代理店(プロバイダ)を通したWiMAX契約も存在する
- プロバイダ経由で契約するとキャッシュバックなど特典多数
WiMAXの特徴・メリットとは
ここではWiMAXについて、大きく3つのメリットをご紹介してきます。
【WiMAXのメリット①】広域なエリアをカバーしている
WiMAXの大きな特徴の一つが、エリアカバー率の高さ。
とくに最新のWiMAX2+では「ハイスピードエリアモード」が使用でき、エリアカバー率はauの4G回線エリアと同等となっています
「ハイスピードエリアモード」とは、WiMAX回線とau 4G LTE回線を併用した通信モード。4G回線を利用することで、従来のエリアカバー率の低さと障害物に対する弱さを解決しています。
【WiMAXのメリット②】通信スピードの速さ
WiMAXの代名詞とも言えるのが高速通信。
2019年発売の機種「Speed Wi-Fi NEXT W06」では、下り最速1.2Gbpsもの通信スピードを実現。
光回線と同等の通信速度を確保しています。
Speed Wi-Fi NEXT W06 | |
---|---|
イメージ | ![]() |
対応エリア | WiMAX 2+/au 4G LTE |
通信速度 (ハイスピードモード(WiMAX 2+)) | ・下り最大558Mbps ・上り最大30Mbps |
通信速度 (ハイスピードプラスエリアモード(WiMAX 2+、LTE)) | ・下り最大1.2Gbps (Wi-Fi接続時最大867Mbps) ・上り最大75Mbps ※USBケーブル接続時の通信速度 |
連続通信時間(最長) | 約11時間40分 |
最大接続可能台数 | 最大16台 |
ヨノイ
またもう一つのポイントが速度制限時の通信速度の速さ。
WiMAXでは3日間での通信量が10GBを超えた場合、通信速度を抑えられてしまうのですが、その場合も1Mbpsまで。
他社の場合、128kbpsなど実用性皆無の速度制限が多い中、1Mbpsまで制限がゆるいのはWiMAXならではです。
正直、速いとは言えないものの、1Mbpsあれば通常通りの使用は十分可能。
いつどのような状況でも一定の安心感を維持できるのはWiMAXの強みですね。
【WiMAXのメリット③】月間データ容量に制限がない
WiMAXの3つ目のメリットがデータ使用量に制限がないということ。
WiMAXには月間のデータ使用量に制限のないギガ放題プランが用意されており、これで契約した場合は無制限でデータ通信を行うことができます。
最近では実質無制限をうたっていたポケットWiFi事業者が通信品質を維持できず行政指導を受けた例もあり、無制限プランを廃止し月間100GBのプランへ移行する事業者が増えてきました。
そのような背景の中、安心して無制限利用のできるWiMAXには大きな魅力があります。
【WiMAXのメリット④】高額なキャッシュバックがある
WiMAXならではの大きなメリットがプロバイダ契約による高額のキャッシュバック。
プロバイダにもよりますが、キャッシュバックは高額なものが多く、最大で30,000円を超えるものも。
プロバイダ名 | キャッシュバック額 |
---|---|
GMOとくとくBB(WX06、W06)![]() | 27,500円 |
GMOとくとくBB(HOME 02、L02)![]() | 31,000円 |
BIGLOBE | 15,000円 |
UQ WiMAX | 0円 |
Broad WiMAX | 0円 |
So-net | 0円 |
DTI | 0円 |
WiMAXは月額料金が一見高めに見えますが、このキャッシュバックを月額料金に含めて考えると、実質的な価格はかなり安くなります。
- 【WiMAXのメリット①】広域なエリアをカバーしている
- 【WiMAXのメリット②】通信速度が速い
- 【WiMAXのメリット③】月間データ容量に制限がない
- 【WiMAXのメリット④】高額なキャッシュバックがある
WiMAXのデメリットとは
とても優れているWiMAXにもいくつかのデメリットがあります。
【WiMAXのデメリット①】障害物に弱い
WiMAXの代表的なデメリットの一つが障害物に弱いこと。
電波が真っ直ぐに進む特徴があり、障害物を回り込むのが不得手なため、屋内や地下でつながりにくいことがあります。
wimaxは違約金払ってでも解約した方が安く上がるので、楽天回線が来たら即時でさようならする。
率直に回線そのものが遅いですし、障害物の影響をかなり受けるから屋内だと辛い。
440Mbpsを売りにしてるけど、最高でも30Mbps台しか見たことないし、普通は10Mbps台。楽天モバイルのau回線より遅い。 pic.twitter.com/iIfF6LLns8
— たかまさ (@takamasa65535) July 9, 2020
これはWiMAXが使用している電波の周波数が2.4GHz帯と5GHz帯という高い帯域であることが原因。
電波は周波数が高ければ高いほど直進性に優れ、真っ直ぐ早く進みますが、同時に障害物に弱くなります。
ヨノイ
ちなみに大手スマホキャリアの使用しているLTE回線は700〜900MHzの周波数帯域で、速度は出ないものの屋内や地下に強いという特性があります。
最近ではau 4G LTE回線を併用した「ハイスピードエリアモード」や、電波のつかみを補強できるルーター「WX06」が採用されたことで改善はされてきています。
しかしそうは言っても、実際にどの程度電波が届くか分からないまま契約するのも不安が残ります。
契約する前にはエリア判定、もしくはTry WiMAXによる実機確認をしておいた方がよいでしょう。
【WiMAXのデメリット②】プロバイダが多くプランの良し悪しが判断しづらい
WiMAXを契約する際になかなか決められない原因となるのが、数十社ある販売代理店(プロバイダ)の存在。
プロバイダ間には競争原理が働くため、キャッシュバックや月額料金の引き下げなど、ユーザーに有利になる施策を各社独自に設けています。
基本的にはありがたいことなのですが、その一方でWiMAX選びが複雑化してしまい、なかなか決められない原因になっています。
ヨノイ
キャッシュバックも最大で30,000円以上の違いがありますし、一見月額料金の低いプロバイダでもキャッシュバックがなく総額ではお得ではない場合も。
またキャッシュバックも数ヶ月から1年先の払い戻しが一般的です。
キャッシュバックにはユーザー側の手続きが必要な場合もあり、もらい忘れのリスクを考えると金額だけで決めるのも考えものです。
ヨノイ
このブログでもWiMAXについてはさまざまなプロバイダのサービスをご紹介していますので、ぜひ契約の参考にしてください。
- 【WiMAXのデメリット①】障害物に弱く屋内や地下でつながりにくいことがある
- 【WiMAXのデメリット②】プロバイダが多く決めづらい
WiMAX2+とは何か?まとめ
ここまでWiMAXについて解説してきました。
WiMAXはとても優れた通信回線なのでおすすめされていることも多く、言葉が一人歩きしているような部分もあります。
とくに初心者の方にとっては実態が見えづらくなってしまっている部分は少なからずあるでしょう。
しかしWiMAXは高速な通信を容量を気にせず使えるとても優れたネットワーク環境。
とくにWiMAX2+に移行して後、回線速度は段階的に上がり、今では光回線並みの速度にまで至っています。
引越しや旅行、またテレワークなどでも強い味方となりますので、WiFiをお探しの場合はぜひ選択肢の一つとしてご検討ください。