いわゆるモバイルルーターを利用する場合、選択肢として候補にあがるのが「WiMAX」と「ポケットWiFi」。
しかしこの2つ、何が違うのか今一つわかりづらいですよね。
その反面、サービス名は沢山。
ヨノイ
そこでこの記事では、WiMAXとポケットWiFiを理解できるように、下記についてまとめてみました。
この記事でわかること
- 「WiMAX」と「ポケットWiFi」って一体何?
- 「WiMAX」と「ポケットWiFi」の特性、性能の違い
- ずばりどちらがおすすめ?
とくにWiMAXは高性能な通信サービスである一方で、性能面ではっきりとした特性があります。
事前に正しい理解をしておかないと、「失敗した」と後悔することになりかねません。
自分の使い方にあったベストな選択ができるよう、事前に正しい理解をしておきましょう。
目次
WiMAXとポケットWiFiとは?
WiMAXもポケットWiFiもモバイルタイプのルーターを利用したWiFiサービス。
端的に言うと、持ち運びできる小型ルーターでどこでもWiFiに接続できるサービスのことを言います。
しかしこの説明は大部分において間違いではないものの、細かい部分では少し補足が必要です。
詳しい内容について、以下で解説していきます。
WiMAXとポケットWiFiの違い
WiMAXとポケットWiFiの違いをざっくり説明すると以下の2点。
WiMAXとポケットWiFiの違い
- 提供している会社が違う
- 規格が異なる
まずWiMAXとポケットWiFiは提供している会社が異なります。
WiMAXはUQコミュニケーションズが提供するサービス。
UQコミュニケーションズはauの子会社で、「WiMAX2+」という専用回線を使うのが特徴です。
一方で、ポケットWiFiはY!mobile(ワイモバイル)の提供するサービスで、LTE回線を使うサービス。
こちらは専用回線ではなく、スマホにも使われている既存のLTE回線を利用します。
なおポケットWiFiは現在ではモバイルWiFiの総称として用いられることが多くなっています。
モバイルWiFiとポケットWiFiは何が違う?
説明したように、ポケットWiFiはY!mobileの提供するサービスの名称。
持ち歩き可能な小型WiFiルーターにより、場所を選ばずWiFi回線につなぐことができますが、これは一般的には「モバイルWiFi」と呼ばれるもの。
つまり本来は、モバイルWiFiと総称されるサービスの中で、Y!mobileの展開するサービスだけを「ポケットWiFi」と呼ぶのが正しいあり方です。
ヨノイ
しかし現在では、モバイルWiFiを「ポケットWiFi」とする呼び方が定着しています。
そのため現在ではモバイルWiFi=ポケットWiFiと理解してほぼ差し支えありません。
この記事でも、モバイルWiFi=ポケットWiFiとして解説を進めていきます。
ポケットWiFiはY!mobile以外に複数社が参入
モバイルWiFiはY!モバイルを始め、docomo、ソフトバンクもサービスを提供していますが、他にも複数の通信事業者が参入しています。
ヨノイ
これらの通信事業者は大手通信キャリアの回線の一部を借り受けるかたちで、MVNOとしてサービスを展開しています。
本来は2次的なサービスなのですが、料金の安さや通信量の制限が緩いことなどから、ユーザーから大きな支持を得ています。
現在ではポケットWiFiと言えばむしろ大手以外を指す場合が多いですね。
ヨノイ
WiMAXとポケットWiFiは性能面で何が違うか?
ここではWiMAXとポケットWiFiの気になる性能面での違いについて解説します。
WiMAXの性能的な特徴
【WiMAXのメリット①】:高速な通信が可能
WiMAXの特徴は、専用回線である「WiMAX2+」による高速な通信ネットワーク。
これはスマホで使われる4G LTE回線とは別に用意されているもので、より高速な通信が可能です。
WiMAXには旧規格である「WiMAX」と現行規格である「WiMAX2+」があり、それぞれ異なるもの。
現在はWiMAX2+が主に使われています。
WiMAX2+ではエリアが限定されるものの、Speed Wi-Fi NEXT W06による通信では下り最大1.2Gbpsという驚異的な速度を売りにしています。
また全国でも下り最大440Mbpsに対応と、エリアを問わず高速な通信が可能です。
【WiMAXのメリット②】:販売代理店によるキャンペーンが豊富
WiMAXは公式販売元であるUQ WiMAX以外に、販売代理店によっても提供されています。
- GMOとくとくBB
- ビッグローブ
- So-net
販売代理店は公式よりもお得なキャンペーンを展開しているのが一般的で、高額なキャッシュバックやお得な料金プランを用意しています。
これらを上手に利用すると、実質的な月額料金が安く抑えられるケースも多いので、申し込みの際は小まめにチェックするのがおすすめです。
【WiMAXのデメリット①】:障害物などに弱い
WiMAXの大きなデメリットの一つが障害物などに弱いこと。
電波の直進性が高いことから、障害物の影響を強く受けてしまい、屋内や地下で思うように繫がらないことがあります。
wimaxは違約金払ってでも解約した方が安く上がるので、楽天回線が来たら即時でさようならする。
率直に回線そのものが遅いですし、障害物の影響をかなり受けるから屋内だと辛い。
440Mbpsを売りにしてるけど、最高でも30Mbps台しか見たことないし、普通は10Mbps台。楽天モバイルのau回線より遅い。 pic.twitter.com/iIfF6LLns8
— たかまさ (@takamasa65535) July 9, 2020
とくにビジネス用途だと繫がって欲しい場面で繫がらないという事態は歓迎できないですよね。
WiMAXに対する不満の筆頭とも言える仕様なので、契約前にはよくリサーチしておく必要があります。
【WiMAXのデメリット②】:通信量により速度制限あり
性能面というよりもサービス面での話ではありますが、WiMAXには通信量に基づく速度制限が設けられています。
WiMAXのプラン「ギガ放題」は月額3,880円で月間データ容量の上限なく利用できるプラン。
一見データ通信量が大きいユーザーにはうってつけのプランですが、実は3日10GBという、短期の通信量に基づく制限が設けられています。
速度制限がかかるデータ量 | 制限時間 | 制限後の最大通信速度 |
---|---|---|
10GB/3日間 | 超過した翌日のネットワーク混雑時間帯(18時頃~翌2時頃) | 1Mbps |
10GBは動画を視聴したりするとわりとすぐに到達してしまう通信量。
高速なWiMAXならなおさらでしょう。
この条件をどう見るかもWiMAXの利用を決める重要な条件ですね。

ポケットWiFiの性能的な特徴
本来はキャリアの提供するモバイルWiFiサービスのみを対象として紹介すべきかもしれませんが、現在ではMVNO事業社が多数参入。
めちゃくちゃ多いです。
リーズナブルな月額料金からも、むしろそれらのサービスがポケットWiFiの中心となっている感もあります。
そのためそれらのサービスも含めた総合的な内容について解説していきます。
【ポケットWiFiのメリット①】:安定した通信が可能
ポケットWiFiは既存のLTE回線を利用するため、WiMAXに比べるとスピード面では劣ります。
しかしLTE回線の最大のメリットはエリアの広さと通信の安定感。
屋内での通信にも強く、とくに都市部であれば環境を選ばず快適な通信が可能です。
クラウドSIMのポケットWiFi、縁があってレンタルで使わせてもらってるんだけどWiMAXより使えるね。屋内でも普通に繋がるのは大きい。端末によって差があるだろうけどバッテリーの持ちもいい。トリプルキャリアと言いつつSoftBankにしか繋がらないからSoftBankだけのSIMかルータープランでもいいかも。
— むぎ (@mugiblog) December 19, 2019
またサービスによってはクラウドSIMというしくみを使ったトリプルキャリアによる回線の提供を行っているものもあります。
状況に応じて自動で最適な回線を選んでくれるため、混雑を避けてより快適に利用できます。

【ポケットWiFiのメリット②】:柔軟な料金プランが展開
ポケットWiFiはMVNO業者(回線をレンタルしてサービスを提供している業者)が多く参入しています。
そのため各社サービス間でプラン内容にバリエーションがあり、自分にとって最適なプランを選びやすいという利点があります。
それにしても最近のモバイルwifi、ポケットwifiはサービスの種類が多い・・・。数年前に私がBIGLOBEでWiMaxを購入した時は数種類しかなかったような気がします。今は意外にお得感のあるレンタルwifiなどもあるし、選ぶのが大変なくらいです(苦笑)
— WiMAXと楽天モバイルアンリミットのレビューしてます! (@mobilewifi_life) March 21, 2020
とくにおすすめしたいのが、「縛りなし解約金なし」のサービス。
回線契約でネックなのが、複数年にわたる契約とその解約金なんですよね。
ちょっとだけ試したいのに、いきなり2年契約で解約金も数万円かかるとなると、そう気軽に申し込めるものではないですよね。
たとえばクラウドWiFiやSAKURAWiFiといったサービスは縛りも解約金もないので、最短で1ヶ月から利用ができます。

WiMAXも含めてどれが自分に合っているかいろいろ試したい方は、まずはポケットWiFiの縛りなし系のサービスから始めてみるのがおすすめですね。
【ポケットWiFiのデメリット①】:速度が遅い場合がある
ポケットWiFiは下りの速度でも、最大150Mbpsなどが一般的。
こちらもWiMAX同様、ベストエフォート方式での表示なので、実際の利用時には十分の一以下になることも珍しくありません。
当然上限がWiMAXよりも低い分、実際のスピードも低くなるため、常に速度を確保したい方には向かない可能性があります。
ヨノイ
とは言え、動画配信サービスでも10Mbpsもあればほぼ快適に視聴できます。
こちらも利用方法に応じて考えたいところです。
【ポケットWiFiのデメリット②】:お得なキャンペーンがない
WiMAXは販売代理店によるキャンペーンやキャッシュバックが強力ですが、ポケットWiFiにはそういったものがほとんどありません。
2年契約満了時の支払総額を考えた場合、WiMAXはキャッシュバックなどを含めて計算できます。
そのためサービスの金額面ではポケットWiFiはWiMAXに負けてしまう場合も少なくありありません。
このことからも、ポケットWiFiは短期で利用しやすい縛りなし解約金なし系で利用した場合にこそ、優位性が発揮できるとも言えます。

WiMAXとポケットWiFiのどちらを選べばいいのか?
ここまで見てきたように、WiMAXとポケットWiFiは同じモバイルルーターサービスと言えど、そこそこの違いがあります。
考えるべきは下記の3点です。
- 2〜3年の契約期間を満了するまで使い続けるか?
- 通信速度は必要か?
- 屋内利用は多いか?
細かい月額料金などはプロバイダやサービスによって事細かに変わってきますので、ここでは割愛します。
単純化して長期利用でWiMAX、短期利用でポケットWiFiと考えれば、それぞれの中で選択すべきサービスは自然に決まってきます。
とくに初めてWiMAXやポケットWiFiの契約をお考えであれば、まずは縛りなし契約金なしのポケットWiFiをおすすめします。
サービスを乗り換えると事務手数料を二重に払うことになる場合もありますが、継続利用のしなかった場合などを考えると、最初から多額の解約金が発生するプランは選ぶべきではないですよね。
無難で現実的な選択肢から様子を見ながら進めていくのがおすすめの方法です。
