Amazonのスマートスピーカー「Echo」シリーズを購入し、早2年。
今ではすっかり生活に溶け込んでおり、天気予報やニュースの確認から音楽再生など、さまざまな場面で活躍してくれています。
そんな中で湧き上がってくるのが、Echoをもっと試してみたいという欲求。
そこで今後に複数のEchoを連携することを意識しつつ、エントリーモデルのEcho Dot(第4世代)を購入してみました。
しばらく使ってみて分かった本製品の魅力や使い勝手、またEcho第2世代と比較した結果をお伝えしたいと思います。
AmazonのEcho Dot(エコードット)とは
製品の具体的なレビューに入る前に、まずEcho Dotについて簡単に解説しておきます。
Echo Dotは無印エコーシリーズのエントリーモデル
Echo(エコー)はAmazonが開発、販売するスマートスピーカー。
AIアシスタント「Alexa」が音声を聞き取り、指示に対応した各種機能を実行してくれます。
Echo Dotはその中でも、基本となる通常のEchoシリーズのエントリーモデルにあたるデバイス。
価格も安く、スマートスピーカーの最初の一台にうってつけのデバイスです。
Echoシリーズの2種類のライン
Echoシリーズにはディスプレイの有無により大きく2つのラインがあり、スピーカーのみを搭載した通常版(通称、無印エコー)とディスプレイ付きのEcho Showが存在します。
- Echo:ノーマル版のEcho。スピーカーのみを搭載。無印とも呼ばれる。
- Echo Show:エコーショー。ディスプレイ搭載型。
今回ご紹介するEcho Dot(エコードット)は、この中で無印Echoシリーズのエントリーモデルにあたるデバイス。
購入のしやすさとサイズの小ささが魅力的なモデルです。
Echo DotとEchoの違いは下記の表を参照いただくとわかるかと思います。
モデル名 | 位置付け | 価格 | 本体サイズ | 音質 |
---|---|---|---|---|
Echo Dot | エントリーモデル | 5,980円〜 | 小 | △ |
Echo | レギュラーモデル | 11,980円〜 | 大 | ◯ |
EchoとEcho Dotの機能的な違いは音質のみ
ここでまずお伝えしておきたいのは、EchoとEcho Dotに機能面での本質的な差はないということ。
Alexaで実行可能な命令は同じなので、違いはスピーカー性能とそれに伴う本体サイズだけということになります。
つまり価格差はほぼスピーカーの品質に集約されていると言っても過言ではありません。
ご自身の予算と求める音質を考えながら、どちらを購入するか選択していくかたちになるでしょう。
Echoには音声の入力デバイスとしての側面もあるため、数を揃えて連携させる使い方もありえます。同じ予算でもEcho Dotを2個買った方が便利な使い方もある点には要注意です。
Echoは使い方によって適性が変わるため、単純な上位下位の関係とも言い切れないのが面白いところ。
Echoシリーズの各モデルの種類や位置付けは下記の記事で詳しく紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。
第3世代から第4世代になっての変更点
Echo Dotは2020年10月に現行の第4世代モデルを新たに発売。
形状が刷新され、これまでの円筒型から球型へ大きく進化しました。
これにより音質が大きく向上し、またインテリアとしてより部屋に馴染むデザインへと変化しています。
- 本体のデザインが円筒型から球型へ
- 音質(特に低音)の大幅な向上
- インテリアとしてより部屋に馴染むデザインへ
時計付きのEcho Dot with clockもおすすめ
またEcho Dotには時計付きのモデルもあり、Echo Dot with clockとして販売されています。
違いは本体にLEDディスプレイが埋め込まれており、デジタル時計が点灯すること。
価格が6,980円と通常モデルよりも1,000円高いこと、またチャコールカラーがないことを除けば、基本的な機能やデザインに違いはありません。
- 価格が6,980円で、普通のEcho Dotよりも1,000円高い
- グレーシャーホワイトとトワイライトブルーの2色のみ
Echoに時計という普遍的な機能がつくことで、お役立ち度は一段階アップします。
予算が許せばこちらもおすすめのモデルです。
僕も子供部屋に置く用に追加購入を考えています。
Echo Dot(第4世代)の外観・デザイン
前述のとおり、Echoシリーズは第4世代でデザインがこれまでの円筒型から球型へと変更。
より新しさを感じるデザインへとアップデートされました。
またこの変更は音質にも影響を与えており、第3世代と比べてより音楽再生向きのデバイスへと進化しています。
まずは箱の外観から見ていきます。
箱のデザインはこのような感じ。
別の画像で正面から見てみます。
割とシンプルな感じ。
箱の横幅と奥行きはそれなりにありますが、開封すると同梱物はコンパクトに収まっており、エココンシャスな雰囲気はあります。
(おなじみの馬鹿でかいAmazonの段ボールに入って届きましたが……)
パッケージの中身を並べてみます。
同梱物はリーフレットとACアダプターのみ。
いたってシンプルです。
- Echo Dot本体
- ACアダプター(コンセントプラグ)
- リーフレット(説明書)
そして本体デザインです。
本体は球型でシンプルな印象を与えますが、材質的には布製のファブリック素材とプラスチック素材の2種類による構成。
底面側のプラスチック素材は背面に向けて斜めにせり上がっています。
というのも、背面にはコンセントと出力用の端子が用意されているため。
端子周りはプラスチックでしっかりとカバーされています。
また前面側はファブリック素材で覆われているかたちとなり、内蔵スピーカーの向きもこちら側から。
つまり球型といえど本体の向きはあるデザインとなっています。
360°どの位置からでもよく鳴るというわけではないので、そこは誤解のないようにしておきましょう。
またサイズはソフトボールの大きさとほぼ同等で、手にすっぽり収まるサイズ感。
本体の上部には4種類のボタンが搭載されています。
- 音量調整ボタン:+、−で音量を上下に調節。
- アクションボタン:◯を押すと「アレクサ」と声掛けをするのと同じ。
- マイクオフボタン:Øを押すとマイクをミュートできます。
マイクオフボタンは押すと赤色に光ります。
ボタンの配置やデザインは従来機種から変わっているため、すでにEchoを持っているユーザーさんはやや注意です。
またEchoの状態を光で示すライトリングは今回から底面側へと移動。
これによりライトが設置面に反射するようになり、おしゃれ感がぐんとアップしています。
ライトの色味もはっきりしているので、しっかりと視認できますね。
底面にはゴム製のすべり止めが付属しており、簡単に動かないような処理が施されています。
またACアダプターは全モデル白色で統一されています。
Echo Dotの設定方法
Echo Dotの設定は簡単で、箱から出してやることはコンセントにつなぐこととAlexaアプリに接続することだけ。
Amazonデバイスの購入が初めての場合は、これにスマホへのAlexaアプリのインストール、WiFiの設定が加わりますが、持っていればこれらは不要。
簡単に使い始められます。
- 箱から出して本体をコンセントにつなぐ
- Alexaアプリをスマホにインストール
- AlexaアプリにEcho Dotを登録
- WiFiに接続する
なぜこのような簡単設定が可能なのかというと、購入時にAmazonアカウントの簡単セットアップが選択できるから。
こちらはAmazonの製品ページにアクセスした段階で初期状態として選択されているので、普通に購入すれば適用された状態で自宅に届きます。
つまり当たり前に購入すればもっとも設定に手間のかからない状態で届くので、設定が不安な方も安心して購入できます。
Echo Dotの使い方
Echo Dotの使い方は極めてシンプル。
基本は「アレクサ、◯◯して〜」と話しかければOKで、Echoに内蔵されたAlexaが音声を聴き取り、指示に応じた反応を返してくれます。
- アレクサ、音楽を再生して
- アレクサ、今日のニュースを教えて
- アレクサ、夜の天気予報を教えて
ポイントは、「ウェイクワード」と呼ばれるAlexaが自分への指示だと認識するきっかけのワードから始めること。
デフォルトでは「アレクサ」で設定されており、「アレクサ、◯◯して〜」というかたちで指示を出す必要があります。
またスマホのAlexaアプリからも個別に指示を出すことができ、音楽再生の楽曲指示などはこちらからも可能です。
Echo Dot(第4世代)のメリット・良い点
ここからはEcho Dot(第4世代)を実際に使って感じた良い部分について紹介していきます。
音質がそれなりに良い
まず真っ先に触れておきたいのが、音質の良さ。
とくに第3世代からはかなりの向上を見せています。
低音の充実感と中音域の滑らかさは、音楽スピーカーとしての用途にもそれなりに応えてくれる印象です。
とりわけ人の声の音域に関しては、かなりしっかりと表現できていますね。
上位のEchoと比較するとさすがに劣る部分はあるのですが、スピーカーとしてのまとまりが良さが「聴ける感じ」を提供してくれています。
音質への満足度はかなり個人の感覚に委ねられる部分ではありますが、過度な期待をしていない限りは、単体で聴く上ではそこまで不満を感じないのではないかと思います。
Echo Dotを端的に言えば、「この価格のスピーカーでAlexaが付いてこの音質なら結構いい」という感じ。
「デスクに置いておいて、気の向いたときにちょっと音楽を流したい」くらいのライトな使い方にはぴったりのデバイスです。
サイズが小さく置き場所に困らない
Echo Dotのメリットはサイズのコンパクトさ。
上位機種のEchoがハンドボール大であることを考えると、取り回しの良さには軍配が上がります。
球型デザインが部屋のインテリアの邪魔をしない
思いっきり主観の部分もありますが、球型のデザインになったことで、部屋のインテリアによく馴染むようになりました。
とくに白系基調のカラー2色は異物感を大幅に軽減できそうですね。
海苔の缶と揶揄されることもあるEcho第2世代などから比べると、かなりの改善だと言えるでしょう。
円筒型は何だかんだ目立ってしまいますね。
実売価格が安い
Echo Dotの大きなメリットの一つが価格の安さ。
第4世代でもそれは変わらずで、とくにセール時の割引価格は圧倒的です。
3割引、4割引は当たり前ですし、旧モデルではありますが1台の値段で2台購入できたこともあったくらい。
Echoが初めての方、スマートスピーカーを安く手に入れたい方には強くおすすめです。
とくにどの部屋からもEchoに指示を出したい場合は、Echoの個数をそろえる必要があります。
金銭負担の面からも、Echo Dotは最適な選択肢の一つと言えるでしょう。
Echo Dot(第4世代)のデメリット・注意しておきたい点
次にEcho Dotについて注意しておきたい点についてです。
球型になって設置スペースに高さが必要になった
Echo Dot(第4世代)はコンパクトなモデルではあるものの、球型になったことで本体に高さが生じてしまいました。
置き場所に約10cmの高さが必要になったことには注意が必要です。
電源がACアダプターのみでUSB非対応
電源がACアダプターにしか対応しておらず、USBには非対応です。
USB-Cへの移行がどんどん進んでいる中、やや装備として古臭く感じてしまう部分かもしれません。
(とはいえ基本はコンセントに挿しっぱなしなので言うほどデメリットでもないのですが)
ボリュームの大きさがアプリ間で不揃い
これはEcho Dotが、というよりもEcho全体の仕様なのかもしれませんが、アプリ間での音量に差が大きく、急にボリュームが小さくなったり逆に大きくなったりすることがありました。
たとえばAmazon Music Unlimitedを再生した後でそのままオーディブルに移ると、オーディブルの音声が小さすぎて聴きづらいみたいな感じです。
この辺りは自動で音量調整をしてもらえるとありがたいですね。
Echo(第2世代)とEcho Dot(第4世代)を比較
Echo Dotの購入をお考えの方の中には、すでにEchoをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
買い替えや買い増しを目的として購入する場合、たとえば下記のようなことが気になるのではないでしょうか。
- 前回はEchoを購入したが、次の機種をEchoにするかEcho Dotにするかで迷っている
- Echo Dotにして音質が下がるのは避けたい。
そこでここまでのEcho Dotの性能や利点を踏まえつつ、Echo 第2世代(2019年発売)と比較してみたいと思います。
なぜEcho 第2世代?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは筆者である私が実際にEcho 第2世代のユーザーだからです。
上記の悩みは実は私の悩みでもあって、実際のところ今回の購入の際にどのモデルにするかでかなり迷っています。
またEcho 第2世代は2019年発売のモデルで発売から約2年が経過しており、私と同様に買い替えをお考えの方も増える頃でしょう。
そこでここでは実際のユーザーである私の視点で、買い替えまたは買い足しの選択肢としてのEcho Dotの是非について述べてみたいと思います。
無印Echo(第2世代)からEcho Dot(第4世代)に買い替える
旧モデルの無印Echoを所有していて買い替えを考える場合、まず考えるのは音質でしょう。
Echo Dot(第4世代)はそれなりに音質のよいモデルですが、さすがに比較対象が旧モデルとはいえ、EchoDotを無印Echoと比較すると分が悪いです。
とくに高音域、低音域の豊かさが足りないため、ヘヴィな楽曲やパーカッシブな電子音の多いアレンジには物足りなさがあるかもしれません。
音質にこだわりたい方は、正当進化した無印Echo(第4世代)の購入をおすすめします。
ただし下記のような方はEcho Dotへ切り替えてもよいかもしれません。
- Echoで音楽は聴かず、ほぼAlexaへの音声指示用
- 音質よりもサイズ優先
とはいえEcho Dot(第4世代)も音質面では頑張っていると感じます。
音質にシビアな方でなければ、購入してもそこまで大きな後悔はないかもしれません。
- 音質優先のユーザーはEcho(第4世代)が正解。
無印Echo(第2世代)にEcho Dot(第4世代)を買い足す
古い無印Echoを持っていて新たにもう一台Echoを買い足す場合も、現行の無印EchoにするかEcho Dotにするか迷うところです。
性能的な部分を見れば、Echo > Echo Dotであることは確実なので、純粋に音質も求めるなら、Echoを優先的に購入すべきでしょう。
ただし考慮すべきは下記の3点。
- 現在使っている旧モデルのEchoの音質への満足度
- 新規に購入するEchoは音楽メインか、それとも入力メインか
- さらにもう一台Echoシリーズを買い足す可能性はあるか
追加購入の目的がAlexaへの音声入力を目的とした場合やちょっとしたニュース確認ぐらいであれば、音質はほぼ必要ありません。
このような場合はEcho Dotでコンパクトに収めた方がスマートかもしれません。
また他にもEchoを追加購入する予定がある場合、とくにEcho Showシリーズの購入を検討されている場合も要注意です。
というのも、Echo Showシリーズはディスプレイがある分、やや奥行きがあるからです。
とくにディスプレイサイズが大きいモデルは奥行きもそれなりに出てくるので、部屋のモノを増やしたくない方は、Echo Dotにしておいた方が無難でしょう。
Echo Dotが2台あれば、それぞれをLRに振るステレオペア再生も可能です。
万が一Echo Dotの音質に満足がいかなかった場合でも、リカバリーの機会がある点も考慮したいところです。
- 運用方法で最適解は変わる。
- Echo Dot(第4世代)なら失敗は少ないかも。
Echo Dot 第4世代レビューまとめ
Echo Dot(第4世代)を一言で表現すると、とても優秀なエントリーモデル。
オールマイティーに使いやすいので、最初の一台に最適です。
また隠れた推しポイントとしては、拡張のしやすさが挙げられます。
Amazonデバイスならではのセール価格の安さに加え、コンパクトさと部屋への馴染みの良さが2台目以降を揃えやすくしてくれています。
Alexaの真価は複数デバイスで連携させてこそ。
ぜひその器としてEcho Dotからスマートスピーカーの世界に触れてみてください。