この記事ではFireタブレットシリーズについて、現行モデル、過去モデルのベンチマークをまとめています。
各モデルのレビュー記事にもAnTuTuベンチマークスコアを掲載していますが、今回こちらの記事用に新たに計測しなおしているので参考にしてください。
また今回は最新モデルであるFire HD 8 Plusのスコアも追加しています。
さらにこれまでAnTuTuで計測できなかったFire HD 10(2019)の結果も得られたので、ぜひ参考にしていただければと思います。

目次
ベンチマークを計測したFireタブレットの種類
今回計測したFireタブレットは下記の5種類です。
- Fire 7(2019/第9世代)←現行モデル
- Fire HD 8(2018/第8世代)
- Fire HD 8 Plus(2020/第10世代)←現行モデル
- Fire HD 10(2017/第7世代)
- Fire HD 10(2019/第9世代)←現行モデル
ノーマル版のFire HD 8を除いた現行の3モデルと、Fire HD 10、Fire HD 8の1世代前を計測しています。
ベンチマークを計測したアプリケーション
テストに使用したアプリケーションは以下の2種類です。
- AnTuTu Benchmark(V.8.1.9)
- AnTuTu Benchmark(V.8.4.3)
- Geekbench 3.4.1 for Android AArch32
AnTuTu BenchmarkはAmazonアプリストアで配信されていますが、古いバージョンのまま何年も放置されており、実行しても途中でアプリごと落ちてしまいます。
そのためこれまではGoogle Playのアプリストアからダウンロードしてテストするのが一般的でしたが、GoogleがAnTuTu Benchmarkをポリシー違反などを理由にストアから排除。
参考 AnTuTuベンチマークがGoogle Playから削除。AnTuTuは誤解によるものだと反論Engadget 日本版そのため最も新しく計測したFire HD 8 Plusは、AnTuTu公式からAPKファイル(Ver.8.4.3)を直接インストールして実施しています。
またそれ以外のモデルは(Ver.8.1.9)で計測しています。
Fireタブレットのモデル | AnTuTuのバージョン |
---|---|
Fire HD 8 Plus | Ver.8.1.9 |
Fire HD 10(2020/第10世代) Fire HD 10(2017/第7世代) Fire HD 8(2018/第8世代) Fire 7(2019/第9世代) | Ver.8.4.3 |
スコアの差にはバージョン間を理由とした差が含まれることはご承知おきください。
また、Geekbench 3はAmazonアプリストアからダウンロードしたものを使用しており、すべてのモデルで使用したバージョンは同じです(3.4.1)
なお、Geekbench 3で計測する際は初期化し、Google Playが入ってない状態で行っています。
AnTuTuベンチマークによるスコア比較
まずはFire 7(2019)はこのような結果に。

次にFire HD 8(2018)。

さらにFire HD 10(2017)。

Fire HD 10(2019)です。

最後にFire HD 8 Plusです。

Fire HD 10の最新モデルはこれまでAnTuTuで計測できなかったのですが、今回テストをしてみたところスコアが出ました。
途中でブラックアウトして非アクティブになったりとやや怪しい挙動はあったのですが、一応最後まで走りきり、スコアが出たかたちです。
またFire HD 8 PlusはAnTuTu公式から直接アプリをインストールしています。
ヨノイ
もうウイルスアプリなみの扱いですね。
結果を並べるとこのような感じになります。
※スマホで表示した場合は横にスクロールできます。
項目 | Fire 7 | Fire HD 8 | Fire HD 8 Plus | Fire HD 10 | Fire HD 10 |
---|---|---|---|---|---|
2019 (第9世代) | 2018 (第8世代) | 2020 (第10世代) | 2017 (第7世代) | 2019 (第9世代) | |
合計スコア | 53,618 | 50,808 | 90,195 | 89,655 | 146,205 |
CPU | 23,400 | 22,564 | 31,641 | 39,899 | 64,660 |
CPU数学演算 | 3,292 | 2,985 | 4,516 | 7,935 | 11,633 |
CPU共通アルゴリズム | 4,569 | 4,467 | 5,848 | 7,760 | 10,542 |
CPUマルチコア | 15,539 | 15,112 | 21,277 | 24,204 | 42,485 |
GPU | 0 | 0 | 15,968 | 5,511 | 25,582 |
Terracotta – ヴァルカン | 非対応 | 非対応 | メモリ不足 | 非対応 | メモリ不足 |
Coastline – ヴァルカン | 非対応 | 非対応 | 6,410 | 非対応 | 9,339 |
Refinery – OpenGL ES3.1+AEP | 非対応 | 非対応 | 9,558 | 5,511 | 16,243 |
MEM | 22,189 | 20,096 | 27,584 | 24,089 | 32,219 |
RAMアクセス | 16,407 | 14,805 | 17,224 | 16,337 | 20,031 |
ROM APP IO | 1,234 | 1,086 | 2,017 | 2,259 | 3,486 |
ROMシーケンシャル読み込み | 2,530 | 2,371 | 4,865 | 3,660 | 3,639 |
ROMシーケンシャル書き込み | 1,177 | 717 | 1,599 | 1,178 | 2,701 |
ROMランダムアクセス | 841 | 1,117 | 1,879 | 655 | 2,362 |
UX | 8,029 | 8,148 | 15,002 | 20,156 | 23,744 |
データセキュリティ | 2,210 | 2,151 | 3,464 | 3,988 | 4,894 |
データ処理 | 2,205 | 2,204 | 3,600 | 5,045 | 7,277 |
画像処理 | 710 | 848 | 2,605 | 2,065 | 714 |
ユーザーエクスペリエンス | 2,904 | 2,945 | 5,333 | 9,058 | 10,859 |
Fire HD 10(2019)のスコアの圧倒的な高さが目立ちます。
モデルによってGPUが計測できてないので単純な比較はできませんが、それでも旧モデルのFire HD 8、現行Fire 7とは2倍近い数値差があります。
最新モデルのFire HD 8 Plusもかなり検討。
旧モデルのFire HD 10(2017)に迫る性能で、Fire HD 8(2018)の2倍近いスコアです。
Fire 7からスコアを引き離してモデル間の序列を戻したとも言えます。
なおそれぞれのスペックは各レビュー記事に掲載しています。
ぜひあわせてご覧ください。




Geekbench 3.4.1 for Android AArch32によるスコア比較
次はGeekbench 3による比較です。

最初はFire 7(2019)。
次はFire HD 8(2018)。

こちらはFire HD 10(2017)。

Fire HD 10(2019)。

最後にFire HD 8 Plusです。

まとめるとこのような感じ。
こちらもスマホの場合は表を横にスクロールできます。
項目 | Fire 7 | Fire HD 8 | Fire HD 8 Plus | Fire HD 10 | Fire HD 10 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 (第9世代) | 2018 (第8世代) | 2020 (第10世代) | 2017 (第7世代) | 2019 (第9世代) | ||||||
コア性能 | シングル | マルチ | シングル | マルチ | シングル | マルチ | シングル | マルチ | シングル | マルチ |
スコア | 646 | 1,880 | 636 | 1,747 | 887 | 2,195 | 1,444 | 2,603 | 1,559 | 6,554 |
整数演算性能 | 847 | 2,750 | 837 | 2,614 | 1,186 | 2,943 | 1,632 | 3,415 | 1,574 | 9,231 |
浮動小数点演算性能 | 426 | 1,370 | 419 | 1,313 | 629 | 1,879 | 1,203 | 2,298 | 1,287 | 6,040 |
メモリパフォーマンス | 688 | 961 | 668 | 884 | 805 | 1,332 | 1,550 | 1,589 | 2,076 | 2,228 |
Geekbench 3は計測できるのがCPUのみのスコア。
AnTuTuと比較すると項目が少ないですが、一応参考に掲載しておきます。
単純にCPU性能で見ると、やはりFire HD 10のスコアが他を引き離していますね。
重めの処理を考えている場合はFire HD 10の一択になるかと思います。
性能確認は手持ちのスマホでベンチ計測してみるのがおすすめ
お手持ちのスマホで計測した結果と比較してみると、性能の見当がある程度つくと思います。
AnTuTuベンチマークで見る場合は、モデルによってGPUがどこまで計測できたかが異なるので、その辺りを差し引きながら比較するとよさそうです。
ご参考までに。